工具の基礎知識 ソケット&ラチェット編

これがあると一気にメンテナンスの効率がアップする

バイクメンテナンスで使う工具はいろいろありますが、ソケット&ラチェットがあるとかなり作業が効率よく進んでいきます。
また、それほど力を入れなくてもすんなりとナットやボルトを回せるようになりますので、作業自体も楽になるというメリットがあります。
いろいろなソケットを揃えるには多少のお金がかかりますが、ずっと使えるものですので、初めから良い物を買うようにしたいものです。

まず、ソケットとラチェットはセットにして使うものですので、両方ないと話になりません。
ラチェットというのは、ギアがついていて、片方に回して戻すときには空回りしてくれるので、素早くボルトを締めたり緩めたりできるものです。
そのグリップ部分のことをラチェットと言って、基本的にヘッドは付いていません。

そこでそれぞれの大きさのボルトやナットに合うソケットを装着して使うというわけです。
ラチェットは一つか二つあれば十分ですが、ソケットは大きさに合わせてすべて必要なものですので、セットになって販売されているものを買った方が無難です。
エクステンションが付いていて、奥の方にあるパーツを外すのに役立つものもありますので、長いものも持っていると良いでしょう。

角度がないところでも回せるのがメリット

ソケット&ラチェットを使うメリットとしては、工具を回す角度もしくはスペースがないところでも簡単に使えるということです。
スパナやレンチは、どうしても工具自体の長さが邪魔してしまって、十分なスペースがないと使えません。
しかし、ソケット&ラチェットの場合は、ギアが付いているため、ほんの少しの角度しかなくても回せるのがうれしいところです

また、ボルトを回すときにいちいち工具を外す必要がないので、かなり早く回せるというのもソケット&ラチェットのメリットです。
この工具を使うことでずいぶん作業効率が良くなりますので、スパナ、レンチに加えて用意した工具となります。

実際に持ってみて使いやすそうなものを選ぶ

ラチェットハンドルはいろいろな種類があって、大きさやデザインも様々です。
長くて力が入れやすいものや、グリップ部分が握りやすくなっているものもあります。
こればかりは、それぞれの好みによるものですので、実際に触ってみてなんとなく使いやすそうだなというものを選ぶと良いでしょう。

デザイン性に優れたものもあって、同じブランドで揃えるとかなりかっこいいものもあります。
メンテナンスがより楽しくなりますので、そのような基準で工具を揃えるのもいいでしょう。
日本製のものだけにこだわらず、アメリカブランドなどの工具を見てみると、個性的なものも多いので、見ているだけも楽しくなります。

工具の基礎知識 メガネレンチ編

バイクメンテナンスでかなり使える道具 メガネレンチ

バイクのメンテナンスを行う際に、欠かせないのがこのメガネレンチです。
メガネレンチとは、丸く穴が開いているところにギザギザが付いていて、そこを使ってボルトやナットを締めたり緩めたりするものです。
両端に丸い穴が開いたレンチが付いていてメガネに見えるのでメガネレンチという名前が付けられています。

メガネレンチを使うメリットは、スパナと違って角度に関係なくどこからでも回せるということです。
工具を回すためのスペースがあまりないようなところでも、メガネレンチなら少しずつ回していけます。
バイクのパーツのほとんどはかなりスペースが限られたところにナット留めされていますので、メガネレンチを使う機会はかなり多くなります。

正しく使えばなめることがほとんどなく便利

メガネレンチのメリットのもう一つの点は、正しく使えばしっかりと力が入るのでボルトやナットの角をなめることがないという点にあります。
スパナの場合は、一方が開いている状態ですので、どうしてもナットが回らずに角をなめてしまうことがあります。
しかし、メガネレンチの場合は全方向から力がかかりますので、より楽に回すことができるのです。

メガネレンチを使う場合には、必ずナットやボルトに対して直角になるように回します。
この角度がずれてしまって斜めの状態で回すと、力が分散されてしまいますので、メガネレンチが抜けてしまい角をなめる原因になります。
慣れないうちは正しい角度にあてるのが難しいこともありますので、目視しながらメガネレンチを使うようにしましょう。

また、スパナと同じように、周りのパーツとの干渉を考えて、メガネレンチが当たってパーツを傷つけることがないようにするのも大事です。
ゆっくりと回すことや、周りにウエスなどを置いてぶつかっても大丈夫なようにしておくといった配慮をすることができるでしょう。

コンビネーションレンチを持っていると便利

このようにナットの角を落とさずに締めたり緩めたりできる、メガネレンチはとても便利な工具ですが、角度やスペースによっては使えないこともあります。
そのため、スパナと両方使い分ける必要性が出てきます。
その点、片方にスパナが付いていて、もう片方にレンチが付いているコンビネーションレンチという工具があります。

どちらの良い点も兼ね備えている工具ですので、かなり重宝します。
工具をたくさん積むスペースのないバイクでは、こうした省スペースにつながる工具を入れておくと良いでしょう。
正しい使い方をしっかりと覚えて、メンテナンスを効率よく行うと共に、パーツやボルト、ナットなどを大事に扱える術を習得するようにしたいものです。

工具の基礎知識 スパナ編

最もなじみの深い工具 スパナ

バイクのメンテナンスではいろいろな工具を使いますが、一番使う頻度が高くなじみ深いものとなると、やはりスパナが挙げられます。
ボルトやナットを締めたり緩めたりするために使う道具ですが、やはりバイクのパーツにはボルトやナットが多く使われていますので、スパナが活躍する頻度は多いと言えるでしょう。
しかし、使い方を間違えると、ナットの角をなめてしまったり、周りのパーツを傷つけてしまったりすることもありますので、正しい使い方を覚える必要があります。

まず、プロはボルトやナットだからといつでもスパナを使うというわけではないということを覚えておきましょう。
というのも、ナットの締め加減や場所、角度によっては、スパナを使うと角をなめやすいため、たいがいの場合はラチェットやレンチを使うからです。
こうした工具が使えない場所においてスパナを使うことになりますので、いろいろな工具を用意してそれぞれのケースに合ったものを使うということが大事なのです。

スパナについている角度の意味を理解する

ほとんどのタイプのスパナには角度がついていて、まっすぐなものというのはあまりありません。
これは、角度をつけることによって、より力が入れやすく、締めるにも緩めるにも楽になるからです。
そのため、角度の意味を理解せず、逆に使ってしまうと力がうまく伝わらず、ナットの角をなめてしまう原因になります。

締める、もしくは緩める方向に対して、より角度が付くようにスパナを持ち力をかけて回していくのが正しい使い方です。
試しに逆にしてやってみると、力が入らずしっかりと回っていかないのが分かるでしょう。
バイクのナットやボルトは、常に衝撃を受けるパーツを留めているということもあって、かなりきつく入れてありますので、正しい方向で使わないとびくともしないことがあります。

回す範囲に気を付けてパーツを傷つけないように

スパナを回せる角度というのは実はあまりありませんし、バイクのパーツはたいてい他のパーツとかなり密着して装着されています。
そのため、スパナを回す範囲に気を付けて使わないと、スパナが他のパーツに当たってしまって、傷つけてしまうことになります。
ナットが固い時にはかなり力を入れて回さないといけないことが多いので、勢いでスパナをパーツにぶつけてしまうこともあります。

こうした事態を避けるためにも、心配ならスパナがぶつかりそうなところにウエスを置くなどして、傷がつかない工夫をすると良いでしょう。
よく使う工具ですが、実はスパナの取り扱いは難しいものですので、意識して正しい使い方、パーツを傷つけない工夫をするように心がけることが肝心です。

バイクタイヤの点検とメンテナンス

タイヤの点検をこまめに行ってパンクと事故を防ぐ

エンジンのパワーを路面に伝えるために重要な働きをしているのがタイヤです。
また、路面のデコボコや突起などからくる衝撃を抑えて、快適な乗り心地を提供してくれるのもタイヤのクッション性のおかげです。
バイクは4輪ある自動車と違って2輪しかありませんので、万が一このタイヤがパンクしてしまったり、走行中に最悪バーストしてしまったりすると、快適な走行ができないどころか重大事故に直結する恐れがあります。

そのため、自分の命とバイクを守るために、こまめにタイヤの点検を行うようにしましょう。
タイヤの点検とメンテナンスはそれほど大変ではありませんので、日常的に点検するとともに、メンテナンスをするときにより深いチェックをすることができます。
こまめな点検によって、パンクなどをあらかじめ防ぐことができますので、コストを抑えることにもつながります。

異物が刺さっていないかエア漏れがないかをチェックする

タイヤのトラブルで一番多いのは、やはり釘や金属片などが走行中に刺さってしまい、それが元でパンクしてしまうというものです。
そのため、日常的にタイヤを一周させてみて、金属片などが刺さっていないかどうかを見るようにしましょう。
空気が抜けていなくても、異物が刺さっているために穴がふさがれているだけで、走行中にそれが抜けると空気漏れが起きてしまうということが多いので、何かが刺さっているのを発見したらすぐにメンテナンスすることが大事です。

また、特に表面に異物が刺さっているようには見えないものの、常にエアが漏れているような気がするというケースもあります。
そのような場合には、バケツなどに水を入れてそこに石鹸を入れたものを使うと良いでしょう。
その石鹸水をタイヤにかけて、じっくりと見ていきます。

穴が開いていると、石鹸の泡が立ちますので、すぐにどこがパンクしているかが分かります。
たとえ小さな穴でも空気漏れがあるとすぐに分かりますので、この方法を使うのがベストです。

空気圧江を確認して常に最適の圧にしておく

それぞれのバイクには最適な空気圧というものがあります。
タイヤホイールやボディーの表示のところに、指定タイヤ空気圧の指示がありますので、そこをチェックしてみましょう。
最適な空気圧はバイクのモデルごとに違い、車重や使うタイヤのサイズなどによって差が出ますので、必ず自分のバイクの指定空気圧を確かめることが求められます。

パンクしていないとしても、時間経過と共にタイヤの空気は抜けていきますので、少なくても1か月に一回は空気圧を確認して最適な圧を保つようにしましょう。
自分でゲージを購入して、メンテナンスのたびにチェックするというのも手です。

バイク磨きがメンテの基本

丁寧な作業をすることによってツヤのある磨きができる

バイクのメンテナンスにはいろいろな作業がありますが、やはりバイク磨きが基本となります。
しっかりと丁寧に作業をすれば、ツヤのある美しいボディーに仕上がりますので、きちんと正しい作業方法を知って行うようにしましょう。

バイク磨きにおいて最も大事で最も丁寧にすべきなのは、地肌作りです。
ワックスなどを塗る前にしっかりとベースを作っておくことで、ツヤのあるボディーを作ることができるようになりますので、この工程に神経を使うようにすることが大事です。

具体的には、2000番ほどの目の細かいサンドペーパーを用い、水をかけて丁寧に磨いていきます。
力を入れすぎることなく全体にムラなく行っていくことがコツです。
特にクリアベースを塗っていないパーツは、あまり力を入れすぎて磨くと塗料がはげ落ちてきてしまいますので、加減を調整しながら行っていきましょう。

その後乾いたウエスで丁寧に削り粉を取っていきます。
この掃除がしっかりとできないと、ワックスを塗るときに粉が混じってしまいますので、水やデコボコがあるところも確実に取れるようにしましょう。

ワックスを丁寧に磨きこんでいく

ベース作りを終えて表面をきれいにすることができたら、今度はワックスを塗っていきます。
ワックスは固形のものが多いですが、最近は質の良い液状のものやクリーム状のものが出ていますので、いろいろ試してみると良いでしょう。
固形のものよりもムラが出づらいですし、塗布するのも簡単ですので、クリーム状のものを使うメリットは大きいと言えます。

ワックスは一気に塗るというよりも、少しずつムラなく塗っていくことがポイントです。
もし、ポリッシャーのような機械があるのであれば、より早くきれいに塗ることができますので、積極的に活用しましょう。
最近はホームセンターなどで安く売っていますので、メンテナンスの質とスピードを向上させるために購入するのも一つの手です。

仕上げの拭きこみは納得いくまでしっかりと

ワックスをまんべんなく塗ることができたら、仕上げの拭き上げを行っていきます。
この拭き上げをしっかりと行うことで、光沢のあるバイクになりますので、妥協することなく納得いくまできちんと行いましょう。
マイクロファイバーのウエスやポリッシャーなどを使って、輝きが出てくるまで隅々まで磨いていきます。

ここまで作業をしていくと、普通にワックスを塗るだけでなく、ベースつくりをしっかりとすると磨いた時の輝きがさらに出るということに気づきます。
最初の工程から丁寧に作業をしていくことで、より美しいバイクを保つことができるのです。
時間を十分に取ってメンテナンスをしましょう。