親父の憧れ「イージーライダー」

●「イージーライダー」を見てほしい
今の若い世代がなぜバイクに乗るのかは知らない。
でも、俺たちオヤジがバイクに乗る理由とか、何に影響を受けているかと言われたら、やっぱり「イージーライダー」じゃないかなと思う。
「イージーライダー」は、1969年にアメリカで公開された映画。
俺は何本もアメリカ映画を見ているけど、あれだけの衝撃とショックと影響を受けたのは「イージーライダー」だけなんじゃないかなって思ってる。
それくらい、「イージーライダー」の影響って凄まじいと思ってる。

「イージーライダー」は、コカインで大儲けした若者二人が、バイクに乗ってアメリカを横断するというもの。
広いアメリカの大地を、ハーレー・ダヴィットソンでさっそうと駆け抜けるところはすさまじく格好良かった。
2人は行く先々で人に出会い、まあ楽しいこともあるんだけど、2人を待っていたのはアメリカ社会の「異端児への差別」だったんだな…。
ヒッピーの格好をした二人を、自由なはずのアメリカはひとつも受け入れなかった。
遠巻きに見られたり差別されたり、そういった光景の中で、視聴者はだんだんと気づいていく。「自由なんてどこにもない」ということに。
最後は、バイクで走っている途中で銃に撃たれて死んでしまう。

★「正義の国アメリカ」を覆した映画である
「イージーライダー」の凄いところは、「正義の国アメリカ」を覆したところだと思う。
アメリカはいつも正義で、格好良くて、差別なんかなくて…というイメージばかりだったけど、この映画でははっきりと「違う」と語っている。
時代は違うけど、今もアメリカって住んてみたらイメージがぜんぜん違うのかもしれないよね。

この「イージーライダー」はアメリカ国民の胸をうち、映画のフィルムは永久保存登録されているほど。
アメリカ人にとっても、思うところがあったという話しなのかな…この「イージーライダー」。

なんというのかな、若者ふたりが自由をもとめて外に出てみた。
でも、どこにもその自由はなかった…というところに、すごい悲しさを感じる映画なんだよね。
アメリカってなんだろう、自由ってなんだろう?というのをすごく考えさせられる映画であることは間違いない。
今の若い世代にはこの「イージーライダー」が理解できないかもしれないけれど、一度は見てほしいってずっと思っている。
きっと感じることがあるはずだと思うから。
何て言うのか、「これでバイクの世界にはいった!」ってことで、知らせたい気持ちみたいなのもあるのかも。