スーパースポーツ

レースシーンによって発展したレーサーレプリカ

日本でも人気があるバイクの種類として、レーサーレプリカがあります。
レース用のバイクをもとに公道仕様に変更したモデルで、レース自体を販売戦略の中心と据えたモデルであったといってもいいでしょう。

市販車をモデルとして改造されレースに用いられる中、イメージ戦略トラップさせることで販売量は一気に拡大し、空前のバイクブームを生み出すことになります。
様々なメディアも巻き込み、どんどんと過熱していったのです。
販売台数も急激に増加し、やがて、さらに高性能なスーパースポーツへと変わっていきました。

スーパースポーツが生み出されていった背景には、レーサーレプリカの衰退があります。
あまりの人気から、次から次へと新しいモデルが販売され、新車はすぐに陳腐化してしまっていました。
さらに、あまりに高性能化した結果、車両価格は上昇しすぎてしまい、バブル崩壊とともにターゲットからずれてしまったのです。

もう一つは、手に入れやすいネイキッドブームがあります。
性能も十分持っており、運転もしやすいネイキッドは、日常でも使いやすいバイクです。
ところが、レーサーレプリカは、ライダーに極端な前傾姿勢を強い、運転しやすいとはお世辞にも言えなかったのです。

結果として、レーサーレプリカは衰退しましたが、コアなライダーはさらに高性能を求めるようになり、時速200km/hを超えるスーパースポーツへと移り変わっていきました。

レーサーレプリカからスーパースポーツへ

スーパースポーツは、時速200km/hを突破するようなバイクが生まれ、メーカーとしての威信をかけて、さらに高性能化する道を歩んで生まれました。
フラグシップモデルということで、レーサーレプリカとは違ったマーケティング戦略で進められて行きます。
その結果、レースのレギュレーションとは全く異なる排気量での開発が進みました。

つまり、レーサーレプリカの血統は持っていても、レースに使うことができない高性能車であったため、スーパースポーツと呼ばれるようになったのです。

メガスポーツの登場

スーパースポーツは、非常に軽い乾燥重量と、大きな出力を持ったエンジンが特徴です。
スーパーバイク世界選手権であるWSBができるようになり、レースに特化したバイクからスーパーバイクをベースとした改造車両で争われるようになりました。
最高速競争も無改造のベース車両で時速300km/hを突破するようになったのです。

現在では、1000ccで200psを超えてしまうようなカワサキ ニンジャZX-10Rまで生まれてきています。
あまりに高性能で、騒音もすごいため、日本の規制には合わないことから、国内仕様は出力を抑え込んでいるほどなのです。

すでにスーパースポーツは、レーサーレプリカと同義語になってきていますが、これを超えるようなスズキ GSX1300Rハヤブサのようなバイクも生まれてきました。
スーパースポーツとは区別されるようになり、メガスポーツとも呼ばれているのです。