リアショックユニットのメンテナンス

新しいから動きが良いというわけではないリアショックユニットのメンテナンス

メンテナンスはそれぞれのパーツの動きを良くして、状態を良いままに保つという目的を持っています。
その点、足回りの中でもとても重要な役割を果たしているリアショックユニットのメンテナンスには気を遣いたいものです。

というのも、このパーツは新しいからいつでも調子が良いというわけではないからです。
もちろん、使用期間が長ければ長いほど緻密なメンテナンスが必要となりますが、新しい状態でもしっかりと手入れをする必要があるのです。
というのも、リアショックユニットはいろいろな部品で構成されていて、ちょっとしたオイル切れなどでもパフォーマンスが低下してしまうからです。

逆にしっかりとメンテナンスをすると、かなり状態が改善されて乗り心地が快適になることもあります。
メンテナンスのし甲斐のあるパーツと言えますので、しっかりとすることによってマシンの状態を良好に保てます。

汚れを取り除きケミカルを吹くという作業

リアショックユニットのメンテナンスと言っても、それほど複雑で難しいものではありませんので、あまり詳しくない人でも簡単にできます。
まず、リアショックユニット部分の動きを確かめてみましょう。
体重をかけてどのようにリアショックユニットが動くか、戻る時にはスムーズに行くかなどを見ていきます。

もしこの時にぎこちない動きをしたり、戻る時に時間がかかるようならどこかが引っかかっている可能性があります。
また、異音がしないかどうかも確かめて、それぞれの部品がしっかりと働いているかをチェックします。

ショックの状態を確かめたら、ダンバー部分の汚れをウエスで拭いていきます。
スプリングの間からウエスを入れ込むようにして拭くと、楽に掃除ができます。
掃除ができたら、シール部分を中心にしてケミカルを吹きます。

ピボット部分にもグリスを付けて動きを滑らかにする

リアショックユニットはダンパー部分の動きがとても重要ですが、同時にピボット部分もオイル切れなどによって調子が悪くなることが多い傾向にあります。
そのため、ピボットにこびりついている汚くなったグリスをきれいにしたら、質の良いグリスを塗っていきます。
そして、上下に動かす動作をして全体になじませていきます。

こうしてダンパーとピボット部分にしっかりとグリスとケミカルを付けることによって、かなり動きが滑らかになるはずです。
新品のリアショックユニットでもたまに動きがぎこちないことがありますが、同様の作業をすることによってスムーズな動きが回復しますので試してみると良いでしょう。
リアショックユニットのメンテは比較的簡単ですので、こまめにチェックして手入れしたいものです。

ドライブチェーンのメンテナンス

ドライブチェーンをメンテナンスしないとかなりパフォーマンスが落ちる

エンジンのパワーを直接タイヤにつなげるのは、バイクにおいてドライブチェーンという重要なパーツです。
ドライブチェーンが外れてしまうと、当然エンジンがかかっていてもタイヤは動くことがなく、その重要性に気づきます。
とはいえ、他のパーツに比べるとメンテナンスの際に見逃されがちなパーツですので、意識して定期的にメンテナンスする必要があります。

ドライブチェーンにグリスを塗ると、手がすぐに汚れる、グリスを塗った後に運転するとボディーや服が汚れるといった理由であまりメンテナンスをしたがらない人もいますが、しっかりとしないとパフォーマンスがかなり落ちます。
また、ドライブチェーンの外れや切断などの危険も高まりますので、こうしたリスクを考えると、メンテナンスによる汚れなどよりもしっかりと手入れした方が良いことが分かるでしょう。

まずは暖気運転をしてからクリーニングする

ドライブチェーンのメンテナンスをするにあたってのポイントは、いきなりクリーニングに入るのではなく、まず近所を数キロ走って暖気運転をしてから作業に取り掛かるということです。
こうすることで、ドライブチェーンにこびりついているグリスが熱で柔らかくなりますので、クリーニングをするのも楽になるのです。

暖気運転を済ませたら、バイクの周りに新聞紙や段ボールを敷いて、油汚れが飛び散っても良いようにしましょう。
そして、リムーバーをかけながらドライブチェーン専用のブラシで磨いていきます。
普通のブラシでもよいのですが、やはり専用のブラシを使うと落ちが早いですし、油の飛び散りも少ないので楽に作業できます。

手でドライブチェーンを回しながらすべてのチェーンをしっかりと洗います。
洗い終わったらウエスで細かい汚れをふき取っていきます。
この作業をしっかりとしないと、いくら新しいグリスを塗ってもあまり意味がないので、クリーニングには気を遣いましょう。

まんべんなくスプレーをかけたら終了

クリーニングが終わったら、専用のスプレーグリスを散布していきます。
表だけでなく、チェーンの中にも入るようにいろいろな角度からかけることがポイントです。
そして、ゆっくりと手でチェーンを回しながら全体にグリスがつくようにします。

グリスをチェーンにかけ終わった後も、チェーンを回し続けてしっかりと全体になじむようにしましょう。
このように比較的簡単にドライブチェーンのメンテナンスを行うことができますので、面倒くさがることなく定期的に手入れすることが肝心です。
メンテナンスした後は、走りの違いや騒音の違いなどに気づくことでしょう。

工具の基礎知識 ドライバー編

かなり使用頻度の高い工具なのでいいものを持つように

ドライバーは、家庭でもよく使う工具ですが、バイクのメンテナンスでも結構使います。
最近のバイクは強い衝撃に耐えられるように、ねじを使っているパーツは少なくなっていますが、やはりドライバーは必須の工具です。
ドライバーは使い方によっては、ねじ山をつぶしてしまうこともありますので、正しい使い方をすることが大事です。

また、ドライバーはどこに行っても手に入りますし価格の安い物もあります。
しかし、質の良いものと安いものとの差はかなり大きく、作業にも影響してきますので、どうせなら良いものを買うようにしましょう。
特に貫通式と呼ばれる、プラスが入っている先からヘッドの部分まで金属が貫通しているものを選ぶのがポイントです。

ねじが固くて回らない時にはハンマーで叩いてから回す

長いこと外していないねじなどは、パーツとまるで一体化しているかのような固さです。
そのような時に無理してドライバーを回してしまうと、ねじ山が削れてしまってどうしようもなくなってしまいます。
そんな時は、無理して回さないようにしましょう。

まず、ドライバーをねじ山に差し込んだら、ドライバーのヘッド部分をハンマーで強めに叩いてやります。
そうすると、ぐっとねじ山にドライバーが食い込んでいきますので、回しやすくなりますし、衝撃でねじが緩んできます。
その後は普通にドライバーを回せば、さっきよりは楽にねじを回せるはずです。

この時、安いドライバーを使っていると、ハンマーで強く叩いた衝撃でブリップ部分が壊れてしまうことになります。
そのため、やはり貫通式の良いものを選んでおいた方が良いのです。
ハンマーで叩いてから回すという方法は結構使いますので、こうした使い方を念頭に置いて頑丈なドライバーを購入するに越したことはありません。

インパクトドライバーを買うという選択肢もある

バイクパーツのねじは回し過ぎるとパーツを傷めてしまうこともありますので、力加減には注意が必要です。
しかし、中にはかなりきつく締めてあるものもあって、人力ではとても回らないと思えるものもあります。
そのような時に重宝するのがインパクトドライバーです。

通常の回すという力に加えて、縦方向に打撃を加えることによって、ねじを回しやすくしている電動工具で、これがあるとかなり作業が早くなりますし、手では回らないような固いねじでも一発です。
もし電動工具を買う余裕があるのであれば、インパクトドライバーを加えてみるのも良いでしょう。
ただし、力が強いので締め付ける時に注意しないと締めすぎてしまって、パーツを傷つけることもあるという点を覚えておいて使用することが肝心です。

工具の基礎知識 プライヤーとペンチ編

ものを挟むために使われるプライヤーとペンチ

プライヤーとペンチは基本的にものをつかむために使われる道具です。
または、なかなか他の工具で回せない部分を全体でホールドして回すなどの使い方をすることもあります。
とはいえ、バイクのメンテナンスでは、あまりプライヤーとペンチを使う機会はないかと思います。

電装系のメンテナンスをするときに、小さい部品を持ったりコードを挟んだりするときにペンチを使うことがありますが、一般的なパーツの場合はそれほど使いません。
そのため、ケーブル類をいじるようになるまではなくてもそれほど苦労することはないでしょう。
特にプライヤーは荒っぽい作業をする時くらいしか使いませんので、なくても大丈夫です。

ラジオペンチを持っていると便利なことも

あまり使用頻度の高くないペンチですが、ラジオペンチは意外と持っていると助かることもあります。
先が細くなっているタイプのペンチで、小さなものをつかむのに重宝します。
ワイヤー類を片手でキャッチしながら、他の手で何かを作業をするときなどは、手でつかむと滑ってしまうことがあるので、ラジオペンチで挟むとしっかりとホールドできて助かります。

また、電装系のメンテナンスではかなりラジオペンチを使います。
細かな部品が奥にあるときなどは、指でつまめないこともありますので、ラジオペンチを入れ込んでつかみます。
ワイヤーやケーブルにちょっとしたカーブをつけたい時なども、ラジオペンチでつかんでひねるようにすると、楽にカーブが付きますので便利です。

さらに、メンテナンスをしていると、ナットやボルトなどが、バイクの奥のように落ちてしまうことがあります。
手が入るスペースならいいのですが、意外とパーツとパーツの隙間は小さいので、とても手が届かないということがあります。
そのような時、先が細いラジオペンチがあるとすっとボルトなどをつかんで引き出せますので、持っていて助かったと感じることができます。

プライヤーを使う時には傷をつけないように気を付ける

プライヤーや筒などの太目のものをぐっとはさんで引き出したり、移動したりするのに役立つ工具です。
ただし、プライヤーの先はギザギザがついていますので、そのままつかんで力をこめると、その部分に傷がついてしまいます。
傷がついても構わないという気持ちで行うか、ウエスをかますなどして、傷が入らないようにする必要があります。

普段はほとんど使う必要がありませんが、何らかの荒っぽい作業をする時にはたまに利用することもありますので、工具箱の隅に置いておくことができます。
力がこめやすく他の工具ではらちが明かないときにあると便利な、いざという時に使える工具です。

工具の基礎知識 ハンマー編

パラスチックのハンマーをまず持ちたい

バイクのメンテナンスでハンマーなんて使わないと思うかもしれませんが、意外と使う機会が多いので、持っていると重宝します。
ハンマーの使い方としては、カバーなどを外したいのに固くてなかなか外れないという時に、軽く周辺を叩いてあげると緩んでくるというものがあります。
また、ボルトやナットが固くて手で回すだけではらちが明かないときに、工具の端をハンマーで叩いて回すという方法も良く使います。

こうした使い方をするのに便利なのがヘッドがプラスチックでできているプラスチックハンマーです。
鉄のハンマーで叩くと、当然ボディーやパーツに傷やへこみができてしまいますので、プラスチックのヘッドを持つハンマーを使うのです。
そのため、バイクメンテナンス用であれば、まずプラスチックハンマーを用意すると良いでしょう。

あくまで優しく叩いて使うのが基本

固くてなかなか外れないカバーを緩めるには、プラスチックハンマーで周囲を叩いてあげるのが効果的です。
しかし、プラスチックのヘッドだからと力を込めて叩いてはいけません。
ちょっとしたした角度の付け方でパーツに傷がついてしまったり、ヘタすると歪んでしまってさらに取り外しが難しくなることもあります。

優しく叩いて、あくまで衝撃を与えることでパーツの取り外しを助けるというイメージで行いましょう。
またヘッドの角で叩くといくらプラスチックでもへこみを生じさせることがありますので、ヘッド全体で叩くようにしましょう。
上手にハンマーを使えるようになると、今まで苦労していた作業がかなり楽になることがありますので、メンテナンス用の工具にプラスチックハンマーを加えてみましょう。

鉄のハンマーもいざという時のために用意しておく

このように、バイクのメンテナンスにおいてはプラスチックハンマーを使う機会の方が多いですが、いざという時のために鉄のハンマーを用意しておくと助かることもあります。
特にボルトやナットの締めがきつくて、レンチで力を込めても回ってくれないという時には、工具の端を鉄のハンマーで叩いて回していくのです。
この時には、やはり思いっきり叩ける鉄のハンマーの方が良いので、工具セットに入れておきたいものです。

ただし、力加減やスペースのことを考えないと、パーツにハンマーをぶつけてしまうという事故に至ることもあります。
鉄のハンマーでパーツを打ってしまうと、破損などの悲惨な結果になりますので、十分気を付けて利用したいものです。
ハンマーはあくまで補助的な役割を果たす工具ですので、なくても大丈夫ですが難しい作業の時に効果を発揮してくれることがありますので、持っておいて損はありません。

工具の基礎知識 六角レンチとトルクス編

持っていると便利な六角レンチ

バイクのパーツに使われているのは一般的なボルトやナットが多いので、それほど六角レンチを使う機会というのは多くありません。
しかし、いくつかの重要なパーツや、ブランドによっては六角ナットを使っているケースがありますので、六角レンチがあると助かります。
六角レンチを使う場面というのは、ボルトやナットの真ん中に六角形の穴が開いているというもので、そこにレンチを差し込んで回すという時となります。

六角レンチを使うことで、よりきつく締められますので、衝撃がより加わりやすい部品や、より重要なパーツに使われることもあります。
また、表面に出るボルトなどの場合にも、見た目が良くなるからという理由で六角ボルトを使っているケースがカスタムパーツにありますので、メンテナンスように六角レンチがあると助かります。

セットで販売されていることが多いのでまとめて買うと便利

六角レンチは他の工具と同様に、ナットの大きさによって変える必要があります。
とはえいば、六角レンチはたいていの場合いろいろな大きさのものがセットになって販売されていることが多いので、まとめて買ってしまった方が便利です。
この工具はコンパクトにまとめられる形になっていますので、セットで買ってもそれほどスペースを取りませんので、バラで買うよりも使いやすいでしょう。

長さにはいろいろな種類がありますので、六角ナットはきつく締められていることが多いので、できれば長めのものを購入して力を入れやすいものを選ぶ方が無難です。
実際に手に取ってみて使いやすいものをチョイスするようにしましょう。

それほど使う機会もないがメーカーによっては多用するトルクス

トルクスとは、ボルトやナットに六角形の星形の穴が開いているものを回すために使います。
よりがっちりとホールドしますので、通常のボルトやナットよりも確実性があるというメリットを持っています。
ただ、あまりこのトルクスを使う機会はなく、たいがいは普通のレンチやスパナで事足ります。

海外ブランドのバイクやカスタムパーツにトルクスが必要になることもありますので、そのようなパーツを持っている場合には用意しておくことが求められます。
日本ではそれほど工具の種類もありませんが、ラチェットにつけられるソケットタイプのものもありますので、トルクスを単品で買うよりはソケットを買った方が使いやすいこともあります。
また、大きさも異なりますので、自分のパーツにどの大きさが必要となるかを事前に調べて、その大きさだけを購入することもできます。

あまり使う頻度が高くありませんが、使いやすい工具ですので、使い方と選び方を覚えておくと良いでしょう。