工具の基礎知識 スパナ編

最もなじみの深い工具 スパナ

バイクのメンテナンスではいろいろな工具を使いますが、一番使う頻度が高くなじみ深いものとなると、やはりスパナが挙げられます。
ボルトやナットを締めたり緩めたりするために使う道具ですが、やはりバイクのパーツにはボルトやナットが多く使われていますので、スパナが活躍する頻度は多いと言えるでしょう。
しかし、使い方を間違えると、ナットの角をなめてしまったり、周りのパーツを傷つけてしまったりすることもありますので、正しい使い方を覚える必要があります。

まず、プロはボルトやナットだからといつでもスパナを使うというわけではないということを覚えておきましょう。
というのも、ナットの締め加減や場所、角度によっては、スパナを使うと角をなめやすいため、たいがいの場合はラチェットやレンチを使うからです。
こうした工具が使えない場所においてスパナを使うことになりますので、いろいろな工具を用意してそれぞれのケースに合ったものを使うということが大事なのです。

スパナについている角度の意味を理解する

ほとんどのタイプのスパナには角度がついていて、まっすぐなものというのはあまりありません。
これは、角度をつけることによって、より力が入れやすく、締めるにも緩めるにも楽になるからです。
そのため、角度の意味を理解せず、逆に使ってしまうと力がうまく伝わらず、ナットの角をなめてしまう原因になります。

締める、もしくは緩める方向に対して、より角度が付くようにスパナを持ち力をかけて回していくのが正しい使い方です。
試しに逆にしてやってみると、力が入らずしっかりと回っていかないのが分かるでしょう。
バイクのナットやボルトは、常に衝撃を受けるパーツを留めているということもあって、かなりきつく入れてありますので、正しい方向で使わないとびくともしないことがあります。

回す範囲に気を付けてパーツを傷つけないように

スパナを回せる角度というのは実はあまりありませんし、バイクのパーツはたいてい他のパーツとかなり密着して装着されています。
そのため、スパナを回す範囲に気を付けて使わないと、スパナが他のパーツに当たってしまって、傷つけてしまうことになります。
ナットが固い時にはかなり力を入れて回さないといけないことが多いので、勢いでスパナをパーツにぶつけてしまうこともあります。

こうした事態を避けるためにも、心配ならスパナがぶつかりそうなところにウエスを置くなどして、傷がつかない工夫をすると良いでしょう。
よく使う工具ですが、実はスパナの取り扱いは難しいものですので、意識して正しい使い方、パーツを傷つけない工夫をするように心がけることが肝心です。