ネイキッド

シンプルで乗り手を選ばないネイキッド

バイクの種類の中でも、カウルなどが付いておらず、シンプルな形状を持っているのがネイキッドです。
ツアラーに比べて、裸に近いということで、むき出しという意味のネイキッドと呼ばれています。
中には小さなカウルが付いているものもありますが、大体は一緒に含めてしまっているといっていいでしょう。

ネイキッドは公道走行を専門とする種類です。
スポーツ志向が強いわけではなく、そこまで前傾姿勢にはなりません。
ハンドルも手が届きやすい位置にありますし、ペダルも直下に配置されているため、姿勢を傾けなくても運転することができるのです。

ライダーに対して何かを強いるバイクではないうえ、汎用性も高いことから初心者でも運転がしやすくなっています。
エンジンも強引な出力を求めていないということも、運転しやすさに寄与しているといっていいでしょう。

日本でのネイキッドブーム

元々、ネイキッドという呼び名は存在せず、カウルがあるほうが特殊だったといえます。
カウル自体も値段は高く、装着しないほうが普通だったのです。
その後、ツアラーのような形状が増えていき、段々と区別するようになったといえるでしょう。

日本では、ネイキッドの人気が高い国の一つです。
非常に多くのバイクが販売されています。
この背景には、レーサーレプリカのようなバイクは高額で、高性能であっても購入し維持するのが大変になってしまうからです。

ネイキッドの場合には、驚くほどの高性能はないものの、安定した走りで誰でも手が出せるバイクです。
とびぬけた性能を持っていなくても、走る楽しみが詰め込まれているということもあるでしょう。

長く愛され続けていった、カワサキゼファー

日本のネイキッドの中で、ブームの火付け役となったのは、カワサキのゼファーです。
レーサーレプリカが全盛の中で、古いスタイルを持ったゼファーはとても目立つ存在でした。
さらに、シンプルなボディラインは、懐古主義にならず新鮮に映ったのです。

400ccモデルだけが発売される中、ゼファーは自主規制であった400ccの45馬力を突破します。
カタログ上だけで争われていた出力規制を形骸化させるバイクとなったのです。
結果として、ユーザーからすると、バイクの選択肢が大きく変化するきっかけとなったといえるでしょう。

400ccのネイキッドの代名詞ともいえるゼファーですが、750ccや1100ccも発売されました。
教習車としても優秀なバイクであり、長く愛されている車種となったといっていいでしょう。
海外では日本との規制の違いにより、550ccが輸出されていきましたが、排ガス規制や出力規制の違いにより、国によってスペックがかなり異なります。

現在は、どのモデルも廃止されましたが、今でも数多くのユーザーがいるバイクなのです。